簿記を学ぶ

簿記を学ぶ。商業高校の人は、簿記は持っていることが普通だ。何級かはわからないが、とりあえず学校に取らなければいけないということを言われるからだろう。そのために、商業高校出身の人は簿記と言えば通じる。就職先は簿記に関係あるような仕事に就くかと言えば、そういうことではない。いろいろな選択肢があるため、普通科と変わらない。
【マニアック街道】続・六甲彷徨記

 前回、GW中に“六甲下山行”を敢行した「へたれ中年ハイカー」(神戸在住)=その情けない経緯は5月22日付マニアック街道で紹介済み。今回は「へたれ」を返上すべく、再び六甲山ハイクに挑んだ。と勇ましく書きたいものの、実は先輩が画策した強制トレッキング。「君のレベルでコース設定をしてやるから」と、いかにも初心者に優しそうな口ぶりにそそのかされ「で、どのコースを?」と聞くと、なんと、宝塚〜六甲最高峰〜有馬の長丁場(約18キロ)。「ひえぇ〜。どこが私のレベルなんですかっ!絶対無理ですって」と断ろうにも「だめだったら途中でやめてもいいから」(鬼)。とりあえず覚悟を決めて、続・六甲山中彷徨(ほうこう)記。(中村宏二)

 ■まずは専用シューズを購入

 へたれはへたれなりに準備は怠っていなかった。まずはたいていの人がこういう「一番大事なのは靴だね」の「靴」。これまではスーパーで購入した安物の運動靴もどきで六甲山を徘徊(はいかい)していたが、私にとって未知の世界となる今回のコースにチャレンジするのに靴が大事なことには異論はない。奮発して自宅近くのアウトドア専門店でハイカットのトレッキングシューズを購入。インソールも入れてしめて2万円なり。へたれにはもったいないと言われようが足は基本だ。ただ、クレジットカードを出す際に「すんません、2回払いで」と言ってしまった。なんか情けない。

 ■(丸秘)特訓?も経験

 いよいよ決行の6月4日(土)を迎えた。阪神地域の天候は曇りがち。朝起きて自宅ベランダから見る六甲山系はガスっている。ただ、雨の予報ではなかったので、カンカン照りよりはベター。JR尼崎駅で宝塚線に乗り換え、集合場所の宝塚駅前へ到着する。

 まもなくやってきた先輩は大学のワンゲル部出身。神戸市による公称56キロの六甲全山縦走を何度も達成しており、きょうのコースは手慣れたものだ。「まあ、行けるとこまで行こう」などとたわいもない話をしながらスタート。時刻は午前9時10分である。

 曇ったり晴れたり、全般的に蒸し暑い。さすが6月4日である。山道に入る前の住宅地の登りで、すでに首にかけたタオルはずぶぬれに近い状態。前を行く女性を含む4人グループを早足で抜き去り(先輩のペースだからこそのアクション。単独行ならそんなことしません)、山道に入ってからがこれまたしんどい。先輩が最初の休憩場所として考えていたであろう塩尾寺(えんぺいじ)に着く前に、私のへたれな表情を見て哀れんでくれたのだろう。「じゃ、ここで休憩」と、展望スペースでまず1回目の休憩にしてくれたが、歩き始めてからまだ10分である。ほんま情けない。

 さらに問題は休憩タイムなのだが、1人の場合は延々10分とかの休憩が多いのに対し、3分ほど。やっぱり無理。どこでギブアップするかを漠然と考え始める。

 うっそうと茂る木立の中を登り始めて1時間ほどたったころだろうか、どんどん下る道に入ってしまった。眼下には六甲山系北側の東端に位置する兵庫県西宮市のJR生瀬駅付近の市街地が広がっている。先輩は「ルートを間違ったらしい」と言うが、実はこれは「大リーグボール養成ギプス」ならぬ「目指せ六甲全山縦走(丸秘)特訓」ではなかったか。その真相は先輩のみぞ知る。

 ■スローな登りにしてくれ

 さて、どんどん下った分を登り返して本来のコースに。その後は山中をひたすら進み、ナンバリングしてある「六甲全山縦走路」の標識を順次やり過ごす。しかし、急な登りでは先輩の背中がすぐに見えなくなり、70〜80歳代とみられる単独行のおじいさんとの抜きつ抜かれつの「スローモーション登り対決」の場面も。なんとか最終的には白星を挙げたが、「暑い、暑い、暑っい〜」とうなりながら登り続けるおじいさんの声が耳に残る。無事、下山されましたでしょうか。

 その後、下りや平坦(へいたん)な道では自分なりのペースを保つが、やはり登りは数メートル進んでは呼吸を整えるというへたれの繰り返し。先輩にしてみれば多すぎるだろう休憩も挟みながら、なんやかんやで気がつけば六甲最高峰(931メートル)まであともう少しという信じられない展開。歩こうと思えば歩けるものである。

 「ようし!最高峰までは行ったるでぇ〜」。ラストは変にしんどい最高峰へのコンクリートの坂を力を振り絞って登頂!やりました。時間にして6時間。われながら上出来な結果に大満足である。

 ■瓶ビール100倍うまく飲めました

 この達成感。記念しなければならない。当然、写真は撮ったが、それだけでは済まないのがこのシリーズ(?)。前回の“六甲下山行”後の最大の目的であった「至極の一杯」を覚えていてくださるだろうか。そう、やはり答えはそこにたどり着くのである。

 最高峰のすぐ近くにあるのが古くからの歴史を誇る「一軒茶屋」。さて、メニューを眺めると……丼ものやうどんなどの食事と、やはりありました「ビール」。それこそ「生」はなかったが、中瓶1本が500円なり。これが素晴らしくよく冷えていて大満足。さらにビールグラスではなく、ジョッキを出してくれたのでまたまた満足。ぐいぐいと一気に飲み干しさらに驚いたのは……

 いつも吸い込まれる赤ちょうちんで頼む銘柄と何一つ変わらない同じビールなのだが、味がまったく違うのである。「ウマ〜!! なんで?」。数ある銘柄の中では「クリアな味系」のビールなのだが、ものすごくコクとうまみを感じる。こんなのは初めて。ここまで15キロほどの山行が「六甲マジック」とさえ思える「至極の一杯」を生み出した瞬間だった。

 「もう一杯」と思ったが、先輩は即「ダーメ」。さすが山の男だ。というか、私がダメ? (注:ハイク中のアルコール摂取は、できればやめたほうがいいと思います)

 ■相棒よありがとう

 飲んだということで、ここでハイキング終了にするつもりだったが、少々ではほろ酔いにもならない私。この一杯がパワーを生み出し、有馬への下山を決めた。十分に休憩を取ったうえで「魚屋道(ととやみち)」を下る。

 魚屋道の名は、江戸の昔、灘地域から六甲山を越えて有馬に魚を運んでいたルートであったことから明治以降に名付けられたという説がある。六甲越えの往復。大変である。わらじ履きやったんかなー? 魚の量はどのくらいあったんやろ? などと思いを巡らせながらの下り。ただ、現代の有馬への下りはかなり緩やかで道幅も広く、私の脚も快調。あっというまに温泉街脇の「虫地獄」の石碑前へ出た。

 ここで気がついたのが近くにあった「杖(つえ)捨て箱」。実は先輩による「(丸秘)特訓?」の際、手頃な枝を杖にして以降、ここまでずっと使っていたのだ。登りではかなりこの杖に助けられたので、「ありがとうございました」と言ってそこに枝を置いてきた。あとで写真をよく見ると、年に一回、杖を供養する法要が行われると書いてある。私の相「棒」の供養、なにとぞよろしくお願いします。

 ■やはり「赤い灯」に吸い込まれる

 六甲登山で有馬に下ったら、金の湯、銀の湯など温泉を堪能しない手はないが、この日はパス。早くその次のイベントに移りたいと思っていたのは私だけではなかったはずだ。「しぶい山男」の先輩も、下山すれば「しぶ(と)い上戸」である。下山後のアルコール摂取は当然の成り行きだ。

 神戸電鉄有馬温泉駅から2回乗り換え、一気に神戸市中心部の三宮まで出る。車中で万歩計を確かめると3万3457歩であった。よう歩きました。ほんとに。

 三宮ではお手軽庶民派の飲み屋街、JR高架下の居酒屋でお疲れさま会。1人では絶対ここまで歩けることはなかっただろう私を導いてくれた先輩に感謝し、そして六甲山にもまたまた「乾杯!」。なお、この打ち上げ時には、2人とも次の計画を語ることはなかった。

 「先輩ハイペースすぎ」「君、遅すぎ」。お互いの胸の内はビールとチューハイの泡となって消えていった。

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